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「今 敏のつながり合う創造的世界:自己探求の連鎖」『アニメーション研究』第18巻1号、pp.15-32(2016年9月)を執筆しました。

●キーワード
ライフストーリー、創発的協働、平沢進、連鎖、世代継承性

●概要
本研究の目的は、今 敏のライフストーリーの観点から、今 敏監督の人間像、今 敏監督作品の創造過程、そして、今 敏監督と今 敏監督作品との連関について明らかにすることである。本研究では、アニメーション作品、絵コンテ、日記、ブログ、ウェブサイト、エッセイ、音声解説、記事などの資料調査に基づく質的研究の方法論を採用した。その結果、今 敏は、仕事と仲間とともに、アニメーション監督という職業を通して、アイデンティティを確立させながら、自らを表現しようとしていることが明らかにされた。
今 敏監督は、絵を描くことによって、想像力を拡張し、創造性に富んだ新しいアニメーションの表現に挑戦し続けている。彼のアイディアは、現実と対峙し、予期しない出来事や偶然の出会いが源泉となっている。とくに、平沢進の音楽と筒井康隆の小説の影響を受けており、これらの世界観は、今 敏監督のアニメーション作品に活かされている。さらに、今 敏監督は、日常生活の中での想像力を作品に反映している。本研究の結論として、今 敏は、自らの人生の意味を探求しながら、アニメーション作品の中に、彼自身の人生のテーマを表現し続けていることが明らかにされた。

Satoshi Kon’s Interconnected Creative Worlds: The Continuity of Self-exploration. The Japanese Journal of Animation Studies, 18(1), pp.15-32, September 2016.

●Key words
continuity, emergent collaboration, generativity, life story, Susumu Hirasawa

●Abstract
This essay aims to clarify Satoshi Kon’s personality, the creative process of the animation works he directed, and the interrelations between the person and his directorial work, applying a life story approach and employing life history as a qualitative research method based on historical materials, such as Kon’s animation works, storyboards, diaries, blogs, websites, essays, audio commentaries, and articles. As a result, it is made clear that Satoshi Kon attempted to establish his identity and expressed himself through his profession as an animation film director in collaboration with his colleagues. He continuously created innovative animation films by expanding his imagination through drawing. His ideas sprang from confrontations with reality, mostly in the form of unexpected events or accidental encounters. He was particularly influenced by Susumu Hirasawa’s music and Yasutaka Tsutsui’s novels, whose worldviews he animated in his works. Furthermore, his daily-life impressions also went into his works. This essay reaches the conclusion that Satoshi Kon’s pursuit of meanings in his life led him to continuously deal with them as themes of his animation works.

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「アニメーション監督今 敏という生き方と作品における表現の連鎖:文化資源に基づく一考察」日本映像学会2013年度第2回アニメーション研究会、日本大学文理学部3409教室(2014年3月22日)にて発表しました。

●概要
アニメーション監督今 敏という人や作品に関する資料(史料)は、漫画、アニメーションの他、絵コンテ、イラスト、パンフレット、日誌、Blog、インタビュー記事、オーディオコメンタリーや講演といった口述記録、批評・解説・紹介文、論文、書籍など、多数存在する。残された多種多様な資料の資源化を通して、総合的に考察し、今 敏監督および関係する人たち、作品をより深く理解することで、アニメーション監督今 敏と作品との関係を明らかにすることにも結実するであろう。

本研究は、横田(2003; 2006; 2012)と同様に、今 敏監督と作品との関係について、今 敏自身のテーマが反映されているという観点に立脚する。しかし、アニメーション監督今 敏という生き方と作品における表現の連鎖について、未だ十分に解明されたとは言い難い。そこで、本研究では、以上の資料(史料)のうち、とくに、アニメーション監督今 敏による語りに着目しながら、「アニメーション監督今 敏という生き方と作品における表現が連鎖している」という仮説を検証し、考察を行う。

●関連サイト
日本映像学会2013年度第2回アニメーション研究会

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「今 敏のつながり合う創造的世界:表現可能性の追求と自己探求の連鎖 」日本アニメーション学会第14回大会、研究発表・作品発表概要集p.13、東海大学札幌キャンパス(2012年7月1日)にて発表しました。

●概要
本論は、武蔵野美術大学在学中に漫画家としてデビューし、美術設定・レイアウト・原画・脚本などに携わり、アニメーション監督という職業キャリアを展開された、今 敏の創造的世界を「つながり」という観点から捉え、いかにして独創性溢れる作品が生み出されたのかを探究することを目的とする。一言に「つながり」といっても多元的な意味を有する。そこで、本論では、(1)人的つながり、(2)精神的つながり、(3)空間的つながりという三つの次元から考察を行い、今 敏による表現可能性の追求と自己探求の連鎖について述べる。

●関連ウェブサイト
日本アニメーション学会第14回大会公式ウェブサイト

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