『ゲーム開発者の就業とキャリア形成2015』一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(2016年3月31日)を執筆しました。

●概要

昨今のゲーム産業は、家庭用ゲーム機にとどまらず、スマートフォンやタブレットなどのさまざまなプラットフォームを介したゲームが急速に拡大し、同時に、インターネットを介したゲームも普及し、産業構造が大きく変化しつつある。このように、ゲームの領域が拡張され、産業構造が大きく変化するなかで、ゲーム開発者を取り巻く環境も変容しつつあり、その実情と照らし合わせ、自らのキャリアを省察し、展望しながら、変化する環境に適応させていくことが、より一層重要となってきている。また、ゲーム開発者について理解を深めることは、開発者の叡智や情熱の結晶であるゲームそのもののみならず、それを介して接続される人々、社会、コミュニティ、産業、文化の持続可能な発展にとって重要である。

そこで、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会CEDEC運営委員会は、ゲーム開発者が働く環境と、キャリアに関する意識や行動の現況を把握することを目的として、2015年7月1日〜8月7日に、商業ゲーム開発者を対象にした第3回目のインターネット調査(ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2015)を実施した。この間に得られた調査回答は、207件であった。
本調査報告書では、さまざまな読者がそれぞれの視点で把握できるように、性別、最終学歴別、年齢階層別、職種別、プラットフォーム別、従業員数別にまとめている。
本調査報告書の構成は以下のとおりである。
第1章「調査の概要」では、調査の趣旨、対象、方法などを提示している。
第2章「回答者の概要」では、(1)性別、年齢、国籍、最終学歴、学問系統といった「回答者の基本属性」、(2)同居家族構成、主たる生計維持者といった「回答者の生活属性」、(3)開発・支援しているプラットフォーム、開発・運営タイトル数、職種、役職、勤続年数、ゲーム産業での就業年数といった「回答者の就業属性」、(4)勤務先の創業年数、従業員数、勤務地、対前年度比の企業業績といった「回答者の職場の概要」を提示している。なお、昨年度(2014年度)の調査結果と比較検討が可能となるように、データを付記している。
第3章「ゲーム開発者の仕事と職場」では、プロジェクトの人数、タイトルの開発・運営状況、ゲームの開発・運営サイクル、ゲームのサービス運営、職場や仕事の特徴などを提示している。
第4章「ゲーム開発者の働き方とキャリア」では、就労形態・勤務形態、通勤時間、始業・終業時間、労働時間、繁忙期の長さ、転職の回数などを提示している。
第5章「ゲーム開発者の給与」では、2014年1月〜12月の年収について、国内外の関連調査結果との比較を踏まえて提示している。
第6章「ゲーム開発者のキャリア」では、技能修得方法、技能向上方法、自己研鑽、ゲーム産業での就業計画、今後のキャリア志向などを提示している。
第7章「ゲーム開発者の多声性」では、自由記述で得られた70件(回答率33.8%)の定性データに基づき、問題提起と改善案に整理し、すべてのケースを提示している。
第8章「まとめ」では、本調査結果で得られた事実発見を要約しつつ、とくに、ゲーム開発者の仕事と生活の実態について、得られた知見を報告している。約7割のゲーム開発者が専門職志向を有しており、1年間あたり平均167.0時間の自己研鑽を行い、中長期的なキャリアを構築しようとしている。しかし、約9割が自分の仕事に誇りを持っているが、約7割はゲーム開発者は世の中から評価されていないと感じており、ゲーム開発者のさらなるプレゼンス向上などが課題として挙げられた。
ゲーム開発者の就業とキャリア形成2015

ゲーム開発者の就業とキャリア形成2015

 

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