『ゲーム開発者の就業とキャリア形成2014』一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会(2015年3月31日)を執筆しました。

●概要
2014年は、いわゆる第8世代と呼ばれる新しい据置型家庭用ゲーム機が日本でも発売され、スマートフォンやタブレット端末などの多様なプラットフォームも普及しつつある。同時に、モバイルブロードバンド環境の拡充にともなっ て、オンラインでのゲームの配信や利用の機会が拡大しつつある。このように、ゲームの領域が拡張されるなかで、ゲーム開発者を取り巻く環境も変容しつつあり、その実情と照らし合わせ、自らのキャリアを省察し、展望しながら、変化する環境に適応させていくことが、より一層重要となってきている。また、ゲーム開発者について理解を深めることは、開発者の叡智や情熱の結晶であるゲームそのもののみならず、それを介して接続される人々、社会、コミュニティ、産業、文化の持続可能な発展にとって重要である。

このような変化の激しい状況下、ゲーム開発者に関する関心の高まりは、日本のみならず、世界的な潮流となっている。例えば、世界最大のゲーム開発者コミュニティであるIGDA(International Game Developers Association: 国際ゲーム開発者協会)は、ゲーム開発者に関する知見を必ずしも体系的に伝えてこなかったという反省に立脚し、ゲーム開発者について理解を深める手がかりとなる調査研究を、年間事業計画に位置づけて推進している。

以上の問題意識や動向を鑑み、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会CEDEC運営委員会は、ゲーム開発者が働く環境と、キャリアに関する意識や行動の現況を把握することを目的として、2014年7月1日〜8月15日に、商業ゲーム開発者を対象にした第2回目のインターネット調査(ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2014)を実施した。この間に得られた調査回答は、401件であった。

本調査報告書の構成は以下のとおりである。

第1章「研究の概要」では、調査の趣旨、対象、方法などを提示している。

第2章「回答者の概要」では、(1)性別、年齢、国籍、最終学歴、学問系統といった「回答者の基本属性」、(2)同居家族構成、主たる生計維持者といった「回答者の生活属性」、(3)開発・支援しているプラットフォーム、開発運営タイトル数、職種、役職、勤続年数、ゲーム産業での就業年数といった「回答者の就業属性」、(4)勤務先の創業年数、従業員数、勤務地、対前年度比の企業業績といった「回答者の職場の概要」を提示している。なお、昨年度(2013年度)の調査結果と比較検討が可能となるように、データを付記している。

第3章「ゲーム開発者の働き方とキャリア」では、就労形態、勤務形態、普段と繁忙期における労働時間、仕事時間の決定者、労働時間の長さに対する考え、繁忙期の長さ、繁忙期が生じる理由、転職行動、自己研鑽の時間、ゲーム産業での就業計画などを提示している。

第4章「ゲーム開発者の給与」では、2013年1月〜12月の年収について、国内外の関連調査結果との比較を踏まえて提示している。

第5章「ゲーム開発者の仕事と生活」では、仕事と生活の状況、仕事と生活の満足度について、四件法尺度でそれぞれ尋ねた結果を提示している。

第6章「ゲーム開発者が考えるゲーム産業の未来」では、今後3年間におけるゲーム産業の成長にとって重要なプラットフォーム、ゲーム、社会との関わりなどについて、ゲーム開発者に四件法尺度でそれぞれ尋ねた結果を提示している。

第7章「ゲーム開発者からの問題提起・改善案」では、自由記述で得られた130件(回答率32.4%)の定性データに基づき、問題提起と改善案に整理し、調査内容に関する事項などが記されたその他を除いたすべてのケースを提示している。

第8章「まとめ」では、本調査結果で得られた事実発見を要約しつつ、とくに、この一年間で、ゲーム開発者を取り巻く環境がいかに変化し、また、何が変わらないのかという観点から、知見を導出している。

ゲーム開発者の就業とキャリア形成2014

ゲーム開発者の就業とキャリア形成2014

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