「シンシナティ大学における経験学習の多元的展開と組織化」日本キャリアデザイン学会第10回研究大会、資料集p.130、武蔵野大学有明キャンパス(2013年10月27日)にて発表しました。

●概要
「為すことによって学ぶ(learning by doing)」という言葉を残したDeweyは、「教育とは、経験の意味を増加させ、その後の進路を方向付ける能力を高めるように経験を改造あるいは再組織することである」という経験に基づく教授論を展開し、学校と社会生活における経験の有機的関連の重要性と反省的思考の態度を育てる必要性を提示した。

その後、Deweyらの進歩主義教育思想を継承し、省察を構造的化したKolbは、①具体的経験、②省察的観察、③抽象的概念化、④活動的実験という4つの学習の連続性と深化による「経験学習のサイクル」を提示し、行為(action)と省察(reflection)の漸進的な往復運動の重要性を指摘した。

近年、このような経験に基づく学習の内容や過程、経験の内容や質、省察や社会関係資本、学習成果の評価法などが注目され、「経験学習(experiential learning)」あるいは「経験からの学習(learning from experience)」という二つのアプローチから実践と研究が進展しつつある。この潮流を受けて、インターンシップ、コーオプ教育、サービスラーニング、PBLなどを包摂する「職業統合学習(work integrated learning)」が日本の高等教育政策や改革、学校から職業への移行、教授・学習過程設計、高等教育機関と地域・経済社会との連携の観点から議論されている(吉本,2012; 吉本・稲永,2012)。

そこで、本報告では、コーオプ教育、アカデミックインターンシップ、サービスラーニングを軸とした経験学習の多元的展開と組織化を推進し、この分野で先導的立場にあるシンシナティ大学の教職員へのインタビュー調査ならびに資料調査に基づき、いかにして経験学習が構成され、それが学生や教職員、大学、地域社会にとってどのような意義を有するのかを、歴史的・文化的・社会的視座から考察する。

●関連サイト
日本キャリアデザイン学会第10回研究大会公式サイト

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